あなたの家族がある日を境に、日常生活を送ることが難しくなってしまった場合、家族はどんなことを準備しておけばいいのでしょうか?要介護者は現在、日本国内に690万人ほどいると言われています。本人のみならず周りの家族やパートナーの準備するべきこと、行政・民間のサポート体制についてどんなものがあるか本記事で詳しくご紹介いたします。
実際にあった、介護に対する家族の声
親の介護が始まりそうだけれども、長年同居していないし、今更一緒に暮らせるのか不安・・・
本心は介護施設に入居して欲しいけど、お金もかかるし自宅で介護するしかないのかな・・・
私も仕事あるし、どんな準備をすればいいか不安・・・
1人で介護するのは大変だろうな・・・
周りからどんなサポートを受けられるのかな・・・
その時になるまで、家族の介護問題はあまり考える機会がありませんよね。
周りに今後、介護が必要になりそうな方がいらっしゃる場合にはぜひご一読ください。
そもそも「要介護」とはどんな人のこと?
そもそも「要介護状態」とはどんな人を指す言葉なのでしょうか。要介護者とは高齢者や身体的・精神的な障害を抱える人が、基本的な生活動作や日常生活の様々な活動において、自立できない状態を指します。この状態にある人は、他者の助けやサポートが必要な場合があります。
介護施設や有料老人ホームなどで生活を支援してもらう選択肢もありますが、ご家庭で介護を行うという選択肢もあります。その際には肉体的・金銭的・精神的な要素を総合的に判断し、被介護者と介護者のお互いにとって無理のない介護を行うことが大切だと考えられます。
まずは、日本における要介護状態になる原因のトップ5について説明します。
日本人の要介護状態になる原因のトップ5は以下の通りです
1位:認知症
2位:脳血管疾患(脳卒中)
3位:骨折・転倒
4位:高齢による衰弱
5位:関節疾患
かつては脳血管疾患が第1位でしたが、現在は認知症が第1位となっています。
要介護度の認定について
これらさまざまな理由で、自立した生活が難しくなると、以下のような手順で、要支援・要介護の認定が行われます。
- 申請:
- 本人またはその家族が、要介護認定の申請を行います。申請書は、市区町村の介護支援専門員に提出されます。
- 介護支援専門員の訪問:
- 介護支援専門員が被申請者のもとを訪れ、面談を行います。
- 生活全般の状況や健康状態、日常生活動作の状態などをヒアリングし、その後の判断の材料とします。
- 医師の診断書の提出:
- 介護支援専門員は、被申請者が医師による診断書を提出するように依頼します。
- この診断書には、身体機能や認知機能、精神機能の状態が記載され、要介護度の判定の一助となります。
- 要介護度の査定:
- 介護保険評価支援センターが、コンピューター審査や面談、医師の診断書を基に要介護度の査定を行います。
- 査定の結果、要支援1・2 要介護度1から5までの7段階で判定されます。1が軽度、5が最重度です。
- 認定の結果通知:
- 認定の結果は、被申請者や家族に通知されます。
- 通知には、要介護度の判定と、それに基づく介護保険給付の内容が含まれます。
- 介護サービスの利用開始:
- 要介護度に応じて、介護保険に基づくサービスが提供されます。
- 介護サービスの利用開始は、通知を受けた日からとなります。
要介護の認定は、身体状況と必ずしも一致するとは限りません。まずは要介護認定を受ける手続きを進めた上で、どのように介護をおこなっていくかを周りのサポートのもと相談・決定していきます。主な相談先としては
・市区町村の介護相談窓口
・ソーシャルワーカー(医療機関に在籍しているケースが多い)
・居宅介護支援事業所
などがおすすめです。
まずは 「居住している市区町村 介護 相談 」などで検索してみるのはいかがでしょうか?
行政の相談窓口の電話番号や担当部署が表示されると思います。
そして、一番最初に考えるべき事である「自宅での介護か施設での介護か」という問題について解説していきます。
家族と本人の大きな選択「在宅介護」か「施設介護」か?
いざ介護を始める際にまずぶつかる壁が、在宅介護か施設介護か?です。私たちは訪問美容TONANでは、実際にその選択をする上で、ご家族のこんな悩みを聞いてきました。
夫婦共働きで忙しいから、親の介護は施設にお願いしたいと思うけれども、本人が施設への入所を嫌がり、説得が大変。
義理の父親が介護が必要になり、離れて暮らしているため、旦那は自宅に連れ帰る選択を希望しているが、私の負担が増えることが目に見えておりストレスがかかる
介護に正解はありませんし、家族や本人において大切な人生の選択です。よく考えて周りに相談した上で決断されることを強くおすすめします。
この記事では、在宅介護におけるメリット・デメリット。また在宅介護を行う際にぜひ活用したいサポートについても紹介していきます。
在宅介護のメリット
在宅で介護することのメリットは多岐にわたりますが、以下に3つの主なメリットが挙げられます。
- 家族との絆の強化:
在宅で介護することにより、高齢者や障害者とその家族との絆が強化されます。家族が日常的な介護や支援を提供することで、相互の信頼や愛情が深まります。また、家族が一緒に過ごす時間は、喜びや笑顔を共有し、良い思い出を作る機会となります。 - 住み慣れた環境での生活:
在宅で介護を受けることにより、高齢者や障害者は自宅の快適な環境で生活を維持できます。自分の家で生活することで、安心感や安定感が得られ、心身の健康を維持する上でプラスの効果があります。また、身の回りの環境や生活リズムを変える必要がないため、ストレスが軽減されます。 - 個別化されたケアの提供:
在宅での介護は、高齢者や障害者の個々のニーズに合わせたケアが提供されることが特徴です。家庭内での介護者が直接関わることで、より個別化されたサポートが可能となります。これにより、高齢者や障害者が自分らしい生活を送ることができ、自尊心や尊厳を保つことができます。
在宅介護のデメリット
在宅で介護することにはいくつかのデメリットもあります。以下に、その主なデメリットをいくつか挙げます:
- 負担とストレスの増加:
在宅での介護は、家族や介護者にとって負担が大きくなることがあります。特に、介護を行う家族が仕事や他の家族の世話をしなければならない場合、時間的、経済的な負担が増加し、ストレスを引き起こす可能性があります。 - 専門的な知識やスキルの不足:
家族や介護者が専門的な医療や介護の知識やスキルを持っていない場合、適切なケアを提供することが難しくなることがあります。特に、高度な医療処置や複雑な介護が必要な場合、在宅での介護は限界があります。 - 社会的孤立やストレス:
在宅での介護は、家族や介護者が外部との交流や社会活動を制限されることがあり、社会的孤立感やストレスを引き起こす可能性があります。特に、介護者が介護に専念するために、自身の趣味や関心事を犠牲にする場合があります。 - 経済的な負担:
高齢者や障害者の在宅介護には、医療費や介護用品の費用、介護者の時間や労力など、経済的な負担が伴うことがあります。また、介護者が仕事を辞めるなどして介護に専念する場合、家計への影響が大きくなることもあります。
これらのデメリットを考慮し、適切な支援やリソースを活用することで、在宅での介護を行う際の負担を軽減することが重要です。
在宅介護で受けられるサービス
近年、在宅介護で受けられる関連サービスはその種類や多様性が増えており、訪問型・通所型・宿泊型などの介護サービスのほか、福祉器具のレンタルや訪問入浴・訪問服薬などの生活関連サービスもありますし、自宅に理美容師が訪問してくれる訪問理美容サービスも登場しています。それぞれどんな特徴と費用感なのか詳しく解説していきましょう。
通所型デイサービス
通所型デイサービスは、高齢者や障害者などの支援が必要な人々が日中を施設内で過ごすサービスです。
一般的に、午前中から午後までの一定の時間帯に利用者が施設に通い、身体的、精神的、社会的な健康を維持・向上させるためのリハビリテーションプログラムや様々な活動が提供されます。
これには、運動プログラム、認知トレーニング、趣味活動、アートやクラフト、音楽療法などデイサービスごとの特色があります。
近年では、デイサービスでカジノやスロットマシーンが楽しめるデイサービスラスベガスといった、「仕方なく行く場所」ではなく「どうしても行きたい場所」へと変えるという素敵なコンセプトを持った事業所も出てきました。
また、必要に応じて介護や看護サービスも提供されます。介護者や看護師が利用者の健康管理や日常生活のサポートを行い、安全かつ快適な時間を過ごすことを支援します。利用者にとって最も喜ばれるのが、他の利用者やスタッフと交流し、社会的なつながりを築く場としての役割です。共有できる話題が多くあるため、孤独感や社会的孤立を軽減し、心理的な健康を促進する役割はとても大きいと考えています。
通所型デイサービスは、高齢者や障害者などが自宅で生活する支援として重要な役割を果たしており、利用者の生活の質を向上させることに貢献しています。
費用としては1,000円〜2,000円(1日)くらいが相場になっていますが、施設や要介護度によって変動しますので、
ネットでお近くのデイサービスを探してみてください!
訪問薬剤サービス
大量の薬をもらってきても、飲まなくなったり飲み忘れたり・・・
どうにかならないかな・・・
要介護になると、服薬の機会も多くなりがちですが、毎食後に指定された量の薬を飲むことは本人や家族にとっても大変です。そんな時に活用したいのが訪問服薬サービスです。
患者さまのご自宅やご入居先に薬剤師が訪問し、医師の処方せんをもとに、 お薬のセットや薬剤管理を行います。 服用に関するご相談に応じるほか、体調変化や副作用の有無を確認し、 患者さまに最適な薬物療法ができるようサポートします。 調剤薬局ウィンググループのほか、調剤薬局でサービス提供を行っています。
費用は1割負担の方で1回500円程度ですので、選択肢に入れておいても良さそうです!
訪問入浴サービス
お風呂はみなさん好きですか?たとえ要介護状態になっても、体を清潔にし、温かいお湯につかることは幸せですよね。それくらい入浴は大切な行為です。寝たきりや家族だけで入浴させれない場合に利用してほしい訪問入浴サービスについて、必要な条件や費用、準備について紹介します。
要介護認定(1〜5)を受けた方が利用できるのが、訪問入浴サービスです。対象外の方は全額自己負担となりますので、事前に保険適用になるか確認することをお勧めします。
セントケアホールディングスさんの検索サイトが使いやすいのでお勧めです。YouTubeもありますのでご興味ある方はご覧ください!
訪問入浴サービスは1割負担で 約1,200円ほどの相場になります。
訪問理美容サービス
生活している中で、当然髪の毛も伸びていきます。そんな時に便利なのは「訪問理美容サービス」です、美容師や理容師が顧客の自宅や施設を訪問して、ヘアカットやカラー・パーマなど理美容関連のサービスを自宅で提供するサービスです。
自宅から外出することが難しい場合や、家族が里美容室へ連れて行くことが難しい場合などに便利な選択肢となります。
こちらで詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください!
自宅へ訪問してくれるプロの訪問理美容師を探すマッチングサービス「サパット」で検索してみましょう!
さいごに
在宅介護は本人のみならず家族への負担も少なからずあり、最初から頑張りすぎないことも大切です。介護を受ける人と介護をする人の適切な関係を保ちながら、しんどい場合には上手に外部サービスを活用し、介護から離れてみるのも大事なことだと思います。
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